「お兄ちゃん?・・・お兄ちゃん!」
俺と空来があたふたしてる時
ランドセルと手提げバッグを持った
俺の妹が改札を抜けて走って来た。
「お兄ちゃん!会いたかった!」
勢いよく抱きついて来るから
ふらついて倒れそうになった。
「空乃。おかえり」
「ただいま!」
ゆっくり俺から離れた空乃は
口を開けたまま固まってる
空来にゆっくりと視線を当てた。
「お兄ちゃんの、友達?」
「うん。空来って名前なんだよ」
思った通り。
空乃の顔がさっきよりも明るくなった。
「空乃と名前似てる!」
「あ・・・あの・・・えっと・・・」
空来はというと
緊張しすぎて上手く喋れてない。