「そうか」って頷いたお父さん。
だけど、やっぱり嫌なものなのかな?
娘が男の子といるのって。
「あ・・・」
私、今すごく大事なことに気づいた。
気づいた瞬間、泣きそうになった。
悲しいんじゃないよ。
嬉しいんだよ。
「お父さん・・・」
私はお父さんの手をとって
そっと握り締めた。
どうか、私の気持ちが伝わるように。
「私を選んでくれて、ありがとう」
さっきので気づいた。
私はちゃんとこの家の“娘”なんだって。
お姉ちゃんの妹で
お父さんとお母さんの娘なんだって。
今まで思えてなかった訳じゃないけど。
こんな風に感じることができたのは
初めてだから。