「お父さん、ただいまー」



普通に挨拶をして、様子を伺ってみる。


お父さんはリビングのソファに座ってる。


でも、背中から暗いオーラが・・・。



「お、お父さん?」



恐る恐る前に回って顔を覗き込む。


どうか泣いていませんように。


お父さんって案外泣き虫だから。



「おかえり」



口パクで言ってはくれたけど


明らかに元気がない。



「あ、あのね、お父さん」


「彼氏?」



寂しそうに首を傾げるお父さん。


そんな顔されたら


何も言えなくなっちゃうよ。



「・・・違うよ。クラスの子。


妹さんの誕生日プレゼント


一緒に選んで欲しいって言われてたの」