「で、話って?大体分かる気もするけど」
うん、そうだと思った。
春馬、ホントに変な勘だけは鋭いもんね。
「楓馬さんのこと、教えて欲しい」
春馬は“やっぱり”って顔をした。
「2つ上の兄貴。
遠くにある病院と隣接してる学校に
小学校の頃から通ってる。
会えるのは長期休暇の時だけ。
いつも会うのは楽しみで
帰って来たらいつも遊んでた。
でも・・・たまに体調崩して入院したら
父さんも母さんも楓馬につきっきり」
そこまで言って春馬は黙った。
楓馬さんの言った通りだったね。
春馬は寂しかったんだ。
でも、それを誰にも言えずに
自分の中に閉じ込めてたんだ。
その気持ち、何となくだけど
俺にも分かる気がする。
「春馬、俺の話、聞いてくれる?」
春馬は不思議そうに頷いた。