お父さんは半年前、大きな事故に遭った。
その時にした怪我の後遺症で声が出ない。
足も少し動きにくくなってる。
でも、仕事もできるし
私やお姉ちゃんとも遊んでくれる。
だから何も不満に思ったことはない。
むしろ、自慢の大好きなお父さん。
「空来!おはよう」
田中くんの声が聞こえて顔を上げたら
少し離れたところに田中くんが立ってた。
私服姿、当然だけど初めて見た。
結構ラフな格好なんだ。
今は暑いし当然か。
私も半袖にスカートだし。
「おはよう!
ごめんね、遅かったかな?」
最近気づいたことがある。
私、他の男子とは話せないけど
田中くんとなら普通に話せる。