「今日は帰り何時頃?
文化祭の準備があるんでしょ?」
お母さんがキッチンから出てきながら
私に言った。
運動会が終わって少ししたら
11月にある文化祭の準備が始まった。
「うん・・・何時だろ」
「分からないの?」
「自分で帰るよ。分からないし」
お母さんは困ったような顔をした。
「帰りにおじいちゃんのところに
行こうと思ってるのよね・・・。
最近あまり調子が良くないみたいだし」
おじいちゃんはお父さんのお父さん。
施設と繋がってる病院に入院してる。
私が高橋家の養子になったのも
おじいちゃんがきっかけだったりする。
「だったら何時に来てくれる?
その時間に抜けさせてもらうよ。
どうせ大したことできないし」
この足じゃ動き回れないしね。