トントン 「お父さん、入るよ?」 お父さんは丁度 ベッドから起き上がるところだった。 「お父さん、行って来るね! 夕方には帰ってくるから」 そう言うと、お父さんは 私を手招きして呼んだ。 だから私はお父さんの側に行って 膝で立った。 「気をつけて」 口パクでそう言って 優しく頭を撫でてくれた。 「うん!行って来ます!」 私も笑顔で返して、部屋を出た。 そして、今度こそ玄関から外に出た。