「あらぁ!空来ちゃん来てくれたの?
そっか、今日は空来ちゃんの」
「先生、ちょっと・・・」
先生の言葉を遮って田中くんは先生の腕を
引っ張って少し離れたところに行った。
この光景、今朝もあった気がする。
泰生くんが田中くんにしたんだ。
「空来ちゃん、ゆっくりしていってね」
「え?はい・・・」
言われなくてもそのつもりなのにな。
田中くんに何を言われたのかな?
「空来、行こう」
田中くんに言われて頭にはてなマークを
いっぱい浮かべながら着いていく。
向かったのは対面室でも客室でも
私が桃ちゃんと一緒に使っていた
部屋でもない、個室だった。
「もう1人の子は養子になって
今は俺だけなんだ」
男の子の部屋って思えないほど
ちゃんと片付いてる。
なんて失礼かな。