安藤は確かに転校はした。
でも、普通の転校じゃない。
療養を兼ねて、病気を抱える子が通う
遠くにある学校に転校したんだ。
それを知ってるのは俺と春馬と先生。
今1番辛いのは安藤に違いない。
でも、目の前で空来が苦しんでるのを
見たら空来も辛いんだって実感する。
「蒼海」
昼休みがもうすぐ終わる頃
春馬が空来の席に座ってきた。
空来はどこかに行ったっきり。
「これ、今朝ポストに入ってた」
「手紙?」
春馬が差し出したのは青色の封筒と
オレンジ色の封筒。
「俺と蒼海にって安藤から」
「え?」
俺と春馬は真実を知ってるから
これ以上伝えることはないと思うのに。
どんな内容なんだろう。