もし事実を伝えたら空来はどうなる?
安藤のところに行く?
黙ってた俺たちを責める?
「教えてくれるわけないよね。
舞衣と約束したんだよね。
私には言わないって・・・」
空来には完全にバレてる。
普通の転校じゃないってことも
感づいているかもしれない。
「・・・手紙に書いてあると思う」
俺が言えるのはこれだけ。
安藤が空来に言いたいなら
手紙に書いてあるはずだって思う。
もし書いてなかったら
それもまた安藤のサインなんだよね。
「はい」
「・・・ありがと」
美術室に着いて道具を渡しても
空来の顔がいつもの笑顔に
なることはなかった。
席に着いて空来を見たら
安藤からの手紙を開いていた。