「なんか顔色悪いけど、大丈夫か?」


速水くんは心配そうに私の顔を覗き込んだ。


「そう?気のせいだよ。大丈夫だよ」

「そっか?ならいいけど。ま、そんなけ。ちょっと気になったから」

「・・・」


心配、してくれたんだ。


「ありがとう」

「・・・別に」


速水くんは照れくさそうに頭を掻きながら目を伏せた。


「俺、今からパイプ椅子持ってくから三瀬のぶんもついでに持ってくよ。貸して」

「え、いいよ!大丈夫。本当に気分悪かったりしないから」

「いいから貸せ。それにあの台運ぶの人数足りないみたいだし、そっち行ってやれよ。俺もあとで行くし」


私は速水くんのその何気ない優しさに甘える事にした。


「あ、ありがとう」