キーンコーンカーンコーン・・・


まるで試合終了のコングのようになったチャイム。
えーっと、結局私真面目に授業受けてないわ・・・。

ま、いっか!


「チッ・・・今日のところはこれで勘弁してやる」

「それはこっちのセリフよ。ばーかっ」


いかにも、な捨てセリフを吐いた利久に私はまたドヤ顔で言い返した。



「きりーつ」


そして聞こえるあの人の声。この声だけで私生きていけるかも・・・。

なんて、ね。



「おい。紫苑」


またしても脳内で好きな人の事を考えていると、利久がニヤニヤした顔で小声で話しかけてきた。

「なによ。」

また悪口バトルが始まるのかと思い、私は思いっきりガンを飛ばした。

「そう睨むなって。俺知ってるんだぜ?」

「・・・何を?」


ここまで聞くと、利久は私の耳に口を近づけて囁いた。


「お前が、翔の事が好きだってこと」

いつもより低めの声で囁かれたので、少しだけびっくりした。
5年生の時はもっと高い声だったくせに・・・!!

いや、それより問題は何故コイツが私のトップシークレットである「好きな人」の事をしっているか。

ここで、「なんで知ってんのよ」と言おうものなら自分から好きだ、と言っているようなものだ。

というわけで、この時の最善の方法・・・。


それは・・・!