「はー、朝学活めんどいねぇ・・・。でもこれも後半年か」

朝学活が終わり、ザワつく教室の中で里桜は私に話しかけてきた。

「そうだねぇ・・・。そう思うとちょっと寂しいかも」


少し泣きそうになったけれど、里桜に悟られないように頑張る。


中学生になって、部活になったらこの贅肉とおさらば出来るかしら・・・ふふ・・・。


「っていうかさー、私たちの住んでる所ってほとんどがN中に行くんでしょ?」

「一応、地区的にはそうなってるよね。」

「私さー、K中に行くかもなんだよね・・・。」

「え?本当に?!」


私や里桜、クラスのほとんどが半強制的にN中へ行く。
それは近い、っていうだけの理由があるだけだけど。

逆にK中は私たちが住んでるところから、電車を使っていくような場所。


しかも頭がいい。


「なんかさ、お母さんがうるさくって・・・」


なんで?と聞く前に、里桜が理由を言ってくれたので手間が省けた。


そうか、里桜のお母さんは教育ママなのか・・・。


でも、中学で里桜に会えないのは凄く寂しいな。


「里桜はさ、どうしたいの?」

「もちろん、そりゃあ紫苑とN中に行きたいけどさ。」

「じゃあ、その事をお母さんに言ってみるとか・・・!」

「うん。とりあえず出来る限りの抵抗をしてみるよ」


よかった、これで中学校生活の3年間も里桜と一緒に居れるかもしれない。



「ほら、席ついてー。チャイム鳴るわよー」


その一声で、教室のザワつきは一気に治まった。
まさに鶴の一声。