「それがなんでこんな事に…私がトウマさんの傍から離れる訳が無いじゃないですか。こんなに、こんなにずっとトウマさんの事を想ってるのに」
「……」
「洋服の事だって、トウマさんは何も教えてくれませんでした。トウマさんがそうやって私の事を考えてくれている事も知らなかったです。だから怖くて、不安で、変わらなきゃって思って、それなのに…トウマさんはズルい。トウマさんはバカでズルいです」
「…ごめん」
「そうですよ、洋服の事ももっと早く知りたかった。すごく嬉しかったんですよ、今回着せて貰えて。もっと着てみたいし、トウマさんのお仕事も手伝いたいし、トウマさんの考えてる事も感じてる事も全部教えて欲しい。私も、私ももっと言いますからっ、だからこれからはもっと、もっとその、もっとですね…」
…そこでようやく、ハッと我に返った。
…あれ?と。
やけにさっきから私、一人で喋ってるような…と。
というか、やけに熱くなっていたような……なんて、“ような”ではない。
なっていたのだ。
「すっ、すみません!すみませんでしたトウマさんっ‼︎ 」