「でも!トウマさん、私に変わらないで欲しいって言ったじゃないですか!私に色が見えたって、それで変わらないで欲しいと言う事は、昔の私にはそれがあったけれど、今の私にはそれが無いって事で、」

「いや、違うっ、そうじゃなくて、」

「そうじゃないって言われたって分からないんです!そうとしか思えなかったんです!だから、だから毎日不安で、ずっと怖くて…っ、!」


その瞬間、突如私は手を引かれる。


「違うんだ、サエ。…ごめん」


耳元で聞こえてくる声。力強く、温かな温もりを全身で感じる。


「ごめんね、そんな思いをさせていたなんて…本当に、俺が悪かった」


「だから泣かないでくれ」そう言われて私は、頬を伝うものに気がついた。…あぁ、いつも私は…トウマさんの前では、泣いてばかりだ。