その呟きは、トウマさんの本音としてその場にポツリと落とされた。

寂しいと、それは以前にもトウマさんの口からこぼれた想い。


“君は俺に何も言ってくれない”


それが寂しいのだと、今のトウマさんは言う。そう言われてみて、私もようやく最近の私とトウマさんの関係を振り返る事が出来た。

トウマさんが大切で、トウマさんが居なくなったら困る。だからいつもトウマさんの理想を追い求めて、トウマさんに嫌われないように必死になって…。


私は、大好きなトウマの事をいつも考えてきた。それは昔と何一つ変わらない。でも確かに今の私は、トウマさんに嫌われないように、本当の自分を知られないようにと必死になっていて、いつからかトウマさんの前で本音を語る事が少なくなっていたように思う。確かに昔の私は、たとえ夢の中だと思っていたとしても、いつも目の前のトウマさんと本音での会話をしてきていた。


「夜、この間までの君は、眠れなくて俺の所へくるようになった。でも今ではそれももう落ち着いて、結局俺には君に何があったのか、どうやって落ち着きを取り戻したのかは分からないままだ」