「君に着て欲しく無いなんて、そんな事は思ってない。君が着た広告が作られたとしても、それは俺にとっては良いことでしか無い。でも、なんで俺に一言言ってくれなかったんだ?俺は君が興味を持っていたなんて知らなかった」

「あ…えっと、私も興味はあったのですが、でも着てみたいとか、そこまでの意識は無くて…でもナツキさんに連れられて行ったのがトウマさんの作ったお洋服のある部屋で、そこで色々と教えて頂いた後、よかったら着てみないかと、そういう事になりまして…」

「あぁ。ナツキから昨日聞いた。君と話す時間が無くて今になったけど…秘密にされていたのは流石に腹が立った。こんな大事な事をなんで黙ってたんだと、信じられなかった」

「すみません」

「いや、君が謝る事じゃないよ。アイツが黙っていたのが悪い。それにどうせナツキは君が嫌がったとしても無理に着せただろうし、君もこんな事になるとは思って無かっただろうから。…でも、少し寂しかったかな」

「…寂しい、ですか?」

「あぁ。やっぱり君は、俺に何も言ってくれないんだなと思ったから。…いつからだろう。前は何でも俺に話してくれていたのに」

「……」