そう、納得がいかない、理解が出来ないといった声色でトウマさんは尋ねてくる。

“何で言わなかった?”それに私は、やはりと、責められているのだと感じた。


「あ…えっと、急に決まった事でしたし、それにトウマさんは私が着るのを良く思ってらっしゃらないと思っていて…だから…秘密にしていました。たった一回だけでしたし…でもそれがまさか、こんな大事になるなんて…」

「いや、そうじゃない。そういう事じゃなくて…どうして君は俺に言わなかったんだ?」

「え?だから…」

「どうして着てみたいって、俺に言ってくれなかった?」

「……え?」


思わず私は、パチリと大きな瞬きと共にトウマさんの顔を見つめる。すると彼の灰色の瞳が同様に、こちらを見つめていた。