「…でも…すみません…私が断れば良かったんですよね…そうだ、私がちゃんと断れば…」


結果、自己嫌悪に陥る。そうだ、ナツキさんが悪いとかじゃない。全部自分の判断だった。私がその提案にのった訳だった。承諾したのも私だ。そうだ、私が悪い。私が勝手に着たのが悪い。それにそれだけではない。私なんかが着て世に出回ってしまって、そうしたらあの洋服のイメージが……そんな事まで考えもしなかった。私の考えは、浅はかだった。


「勝手に着たりして…本当にすみませんでした…」


そして、失敗してしまった…と、後悔ばかりが押し寄せる。トウマさんだってまさかこんな事になるとは思いもしなかっただろう。だって知らなかったのだから。それで今日知ったのなら…それじゃあ怒ってしまうに決まっている。

それに勝手に私が知らない所で行動を起こしたのもいけない。そういう事は嫌だと前に言われていたのだから、それを守らなかった私は怒られても仕方がない訳で、もうあの時断らなかった時点でこうなる事は決まったも同然だったということだ。


…ずんと落ち込み、首を垂れる私。そんな私の謝罪に、トウマさんは少し顔をしかめてみせた。…そして、


「…何で俺に言わなかった?」