「と、トウマさん…ただいま、帰りました…」


なんで?どうして?という気持ちの後ろに現れるのは、嫌な予感。

…うん。というか、嫌な予感しかしないような気もしてきた。


そして、どうしたものかと、私はその場に立ちすくんでいた…訳だけれど、


「サエ、聞きたい事があるんだ。ちょっといいか?」


そう言って、自分の座るソファの隣を示すトウマさんに逆らう術も無く、私はそこへと腰をおろす事になった。


…何故だろう。なんでこんな時間にトウマさんがここに?というかナツキさんは?あの人は本当に、こういう時にはいつも居ないような気がする。それに大体こういう事になるのはいつも、ナツキさんが原因だったりもする訳で、それでいつもこんな雰囲気に…って、あれ?待てよ。雑誌の件は絶対にナツキさんが関わっているに決まってるし、だから今日聞こうと思ったけれど…もしかしてこのタイミング。トウマさんはもしか…しなくても、やっぱりここまでくると当然その事を…ということはつまり、雑誌のことは知らされていなかったと、ナツキさんから何の報告も無く進められた事だった…という事で、今この状況の原因はもしかしなくてもつまり…


……そういう事か…