「……」

「ここに映るあんた、まるでどれもそれが分かってるみたいだ。自然とその色に引き寄せられたあんたの表情が、その色の個性になる。どっちがとかじゃないで、お互いが引き出しあってる」

「……」


ナツキさんの言葉に、私は今日一日に得た物を自然と思い返した。ここにはきっと、今日の全ての話の結果があった。…つまりこれは、トウマさんの想いの結果。トウマさんが思い描いたものの答え。するとそこに一つ、何よりも感じるその一つが私の胸の中に見つかった。


「……トウマさんは、すごいですね」


それはなんて、簡単な言葉。

…でも、単純では無い言葉。


「トウマさんは、初めて会った時からずっと私の知らない私を見つけてくれていて、それをこうして形にしてくれた事で今、私はそれを知る事が出来た」