病室を出て、角曲がってエレベーターに乗ろうとした瞬間。
――――どーんっ!
「わっ!」
「いって!」
同じタイミングで角を曲がった人とぶつかってしまった。
それも、相手は背が高かったのか、私の頭がちょうど相手の胸板だった。
石頭、と言われている私の頭がぶつかったからなのか、相手は相当いたがっていた。
「いってー…。
おい、あんたは大丈夫か?」
胸板をさすりながら、私の心配をしている。
「あ、私は大丈夫です
それより、これ…。」
私は、相手の人がぶつかった時に落とした漫画を拾い、渡す。
漫画は、うちのクラスの男の子の間で人気の冒険ものだった。
これ、この人も見てるんだ(笑)
そういえば、愛美さんの病室にもあったな
面白いのかな〜?
「あ、さんきゅ。
それよりお前、石頭だな〜。
すっげぇ痛いわ(笑)」
漫画を受け取りながら、胸板をさすっている。
やっぱり私、石頭なのね(笑)