なんとなくホームの方を見ると、速水君と目が合う。

どうしよう、そらすのは失礼だよね…

迷っていると、速水君がにっこり笑った。

「内宮、私服初めて見た。」

「あっ、私も速水君の私服初めて見た!」

よかった、向こうから話題を振ってくれた。

速水君ってあまり話したことないけど、これから二人で副部長としてやっていくんだから仲良くなりたい。

「よし、映画館にレッツゴー!」

ちいちゃんの呼びかけで、みんなでやってきた電車に乗り込む。

原沢君が他愛もない話で場を盛り上げてくれるから、電車の中ではすごく楽しく過ごせた。

目的地の駅につくと、ちいちゃんが大きな声を上げた。

「あーーー!見て!桃!」

ちいちゃんが見てる方を私も見る。

「あの子、瞬君じゃん!」

そこにはたしかに瞬君がいた。

だけど、私の胸はズキズキとなった。

きっとその原因は、瞬君のとなり。

瞬君のとなりにはものすごくかわいい女の子がいた。