そう言って、俯いた。

顔、見れないよ。

どんな顔してるの?

「桃、こっち見て?」

こうちゃんはそう言った。

私は恐る恐る顔を上げる。

「桃、コンクール前に惑わすようなこと言ってごめんな。でも、桃がちゃんと俺のとのこと、考えてくれたこと、嬉しいよ。ありがとう。」

なんでこんなに優しいのかな。

昔からこうちゃんに助けられてばかりの私。

迷惑ばかりかけて。

それなのにいつでも優しく接してくれた。

「ううん、私こそ、ありがとう。いつもこうちゃんがいてくれて本当に良かったって思うよ。」

きっとこうちゃんがいなかったら私はここまでやってこれたかな。

「よし、これからは今まで通り、辛い時とか溜め込まずに俺を頼ってな。なんたって生まれた時からの幼なじみなんだから!」

こうちゃんはそう言ってやさしく私の頭を撫でる。

大切な、私の幼なじみ。

これからも、ずっと特別なのは変わりないから。