夏休みに入ってから三日目の夜、私はこうちゃんの部屋に行く約束をした。

その目的は、告白の返事をするため。

約束の電話をしたとき、こうちゃんの声はいつもと変わらなくて。

少しだけ緊張が溶けた気がした。

それでも、やっぱり今はドキドキしてる。

だって、これから私はこうちゃんに…

約束の八時が近づく。

七時五十五分、私は玄関を出て、お向かいの通い慣れた家のチャイムを鳴らした。

「はーい、あら、桃ちゃん!」

出てきたのはこうちゃんのお母さんの鈴香さん。

相変わらず若々しくて綺麗。

「幸太に用事?なんだか久しぶりだね、上がって!」

鈴香さんに促されてこうちゃんの家に入ると、階段をバタバタと降りてくる音がして、こうちゃんが姿を見せた。

久しぶりに見たこうちゃんは、なんだかまた少し逞しくなったみたい。

日焼けもしてるし、ガッチリしてる。

やっぱり厳しいバスケ部は鍛え方が違う。