「「はあ…」」

ため息をつくと、同時に隣からも同じようなため息。

見ると、同じように俺の顔をじっと見つめている従兄弟の実結。

「なんだよ、実結もなんか悩み?」

「うん…まあね。」

せっかく勉強が家よりはかどると思ってばあちゃんちに来たのに、全然はかどりゃしねえ。

「ねえ、どうやったら美人になれるのかな…」

突然そんなことを言い出す実結。

実結は従兄弟の俺から見ても、可愛いけど美人って感じではない。

「なんで美人になりたいの?」

「颯、幼なじみがね、美人のバスケ部の先輩に告白されたらしいんだ…」

それって、つまり。

「実結の好きなやつ?」

そう言うと、顔を真っ赤にして素直に頷いた。

こういう時に素直に言ってしまうところが実結らしいというか。

「告白しないの?」

「…だって告白なんてして断られちゃったら今までどおり幼なじみとしてそばにいられなくなっちゃうもん。」