「みんな、今まで本当にありがとう!みんなと演奏できて、本当に幸せだったよ!」

部長の言葉に、目頭が熱くなる。

ついに、今年のコンクールが終わっちゃったんだな。

私達は支部大会に進み、そこでも金賞は受賞したけど、全国大会にはいけないいわゆるダメ金だった。

このコンクールが終われば進学校なので三年生は受験体制に入るから引退。

だから今日で三年の先輩とはもう演奏できないんだ。

「桃、低音は託したからね!」

瑞穂先輩が私肩に手を置いていった。

低音パートの二年は私しかいないから、必然的にパートリーダーは私になる。

あのしっかりものの瑞穂先輩の後なんて、荷が重いけど、やるしかない!

「みんな、桃の言うことちゃんと聞くのよ!」

瑞穂先輩は他の一年生にそう言ってくれて。

「もーも、不安げな顔しちゃダメよ!桃ならきっとできるから!ね!それと、副部長も頑張ってね!」

「は、はい…頑張ります!」