サラリと俺をまたもや不安にさせる一言を言うのは、この部で一番のイケメン、誰もが憧れるような完璧な音を出すアルトサックスの速水海音先輩。

「まじ!?カイに告白されたら内宮もオッケーするんじゃね!?」

あー、もう。

なんで桃先輩の周りにはこんな高スペックの男ばっかり集まるわけ?

速水先輩は自信に満ち溢れてて、今回のコンクールでもサックスソロがある。

その真剣な横顔は本当にかっこいい。

「そろそろ寝るぞー!」

まだ速水先輩の話は終わってなかったけど、ミーティングから帰ってきた副部長の一言でみんなすぐに布団に入ってしまった。

一日中の練習のせいか、五分も立たないうちにあちこちから寝息が聞こえ始める。

俺もいつもならすぐに眠れるのに、今日はなんだか悶々としてなかなか寝付けない。

どうしよう、告白するって決めたのに。

いや、何迷ってんだ!

桃先輩に告白しなかったら、きっと後悔する。

俺は決めたんだ。