桃先輩のこと、好きすぎてもうどうしていいのかわかんない。

「なにこれ。」

帰ってきてからソファで寝ていると、頭上から声がした。

「凛、瞬は初めてのステージで疲れてるからそっとしといてやんなさい。」

兄貴をこれ扱いすんな!

「起きてるし。」

クッションの間からその憎たらしい顔を睨むと、冷たい目で一括される。

俺も凛くらいに背があって、顔もかっこ良くて、バドミントンもうまかったら人生違ってたのかな。

凛は愛想がないのになぜかもてまくってるし。

「やっぱ俺って情けないよな…」

「そうだな。」

っておい!

相変わらずの可愛げのない弟だ。

こんな奴のどこが良くてみんな好きになるんだか不思議でならない。

無愛想だし、冷たいし、やさしくないし!

俺が女だったら絶対に好きになんねえ!

「また寝てるし。」

そのまま凛を憎たらしく思いながら俺は眠ってしまっていた。