いつものように勇成と弁当を食べていると、勇成が思いついたようにあ、と声を出した。

「そういえばさ、俺のあこがれの先輩いるって言ったじゃん。」

ああ、確かバスケ部のエースの、星野先輩だっけ？

勇成のバスケも何回か見たことあるけど、素人の俺からしても別格にうまいって思ったのにその勇成が憧れる先輩のプレーはどんなにうまいんだ？

「星野先輩、めっちゃ可愛い彼女いたんだよ！」

へえ。

別に驚くことでもない。

だってあの先輩は、顔も芸能人かってくらいにかっこいいし、バスケ部のエースで、そりゃあモテる。

そんな先輩に彼女がいたってなんにもおかしくない話だろ？

なのになんでそんなに勇成は大げさに…

「その彼女がなんと！瞬の先輩！ほらあの、ちっちゃくて可愛い、何だっけ？」

俺はその瞬間、食べていた唐揚げを机に落とした。

「おい、瞬？」

その、まさか、先輩って…

嘘だろ！！

信じたくないけど、確認したい。