「あれ?瞬君!」

話しかけられたのがすげえ嬉しくて、会話を続かせようとピアノの話をたくさんした。

それからよく彼女とはクラス内でも話すようになって。

放課後、二人で音楽室でピアノを弾いたり、楽譜の貸し借りをしたりもした。

ある朝、学校に行くとクラスのボス的存在の男子に腕をつかまれた。

「おい、瞬!お前ピアノなんか習ってんだってな!」

そいつの話によると、その子が俺とピアノ教室で会ったことと、連弾に誘ってみようと話していたのを聞いたらしい。

「ちびだし、顔も女みてえ!」

「本当に女なんじゃねえの!?」

「ちょっと!やめなよ!」



…思い出したくもない記憶が凛のせいでよみがえってきた。

朝から嫌な気分だ!

このもやもやを吹き飛ばす特効薬は…

「瞬君、おはよう!」

「おはようございます!」

今日もめちゃめちゃ可愛い桃先輩しかいない!

あー、本当にかわいい。

こんだけ可愛かったらさぞかしもててるんだろうな…