「桃!」

よし、初めてだからへましないようにしなきゃ!

一回深呼吸をして、口を開く。

「二年のコントラバスパートの内宮桃です。まだまだ未熟けど、頑張るのでよろしくおねがいします!」

風、何とか言えた…

そして次は瞬君。

「北中出身の春川瞬です。中学まではバドミントンやってました!初心者でわからないことばかりですが、精一杯頑張りたいのでよろしくおねがいします!」

さすが、ハキハキしててすごいな。

バドミントンやってたんだ!

スポーツも得意なのかな。

そしてその後の二人の自己紹介も終わり、それぞれ楽器を持って部屋を移動。

コントラバスは大きくて持ち運びが大変だから、練習場所は音楽準備室。

「じゃあこれ、教則本。ここの表紙の裏に運指法が書いてあるの。」

学校の教則本を手渡すと、興味深そうに眺める。

「あと、楽器はこっちの紺のカバーの方を使ってね。エレキベースは持ってないよね?」