「どんな人がベースやってた!?」

少しまゆをしかめながら、瑠奈は考える。

「うーん、確か小さくて、かわいいフワフワした感じの人だったような気がする。遠くから見たからよくわかんなかったけど、あの身長でコンバス!?って感じ!」

うおお!!

絶対にあの彼女だ!

吹奏楽部だったのか!

ていうか、先輩じゃねえか!

俺、昨日思いっきりタメ口きいちゃったよ…

でも、吹奏楽部にいけばあの人に会えるんだ!

「瞬?どうしたの?」

「瑠奈、高校でも吹奏楽部に入るのか?」

「うん、まあね。瞬はバドミントン続け…」

「俺も吹奏楽部にはいる!」

そう言うと、二人がびっくりしたように目を見開いてこちらを見た。

「なんで!?ていうか、瞬が音楽!?」

おい!失礼だな。

凛といい、瑠奈といい、俺の周りには失礼なやつしかいないのか?

「楽譜とか読めんの?」

「読めるよ!」

実はこう見えて、俺、三歳から小学六年までピアノ教室に通ってたんだ。