指の皮は厚くなったような気がするけど。

「俺、背が低いんですけど大丈夫ですかね?」

「大丈夫だよ!私より大きいもん!」

入部して欲しくて必死な私。

だけど魅力を語り尽くせずに仮入部の時間は終了。

「明日も来ます!」

「ほんと!?待ってる!」

嬉しいな!

興味を持ってくれたんだ!

「あ、そうだ。先輩の名前を教えてください。」

あれ、そういえば私、まだ名前も言ってなかったっけ?

失礼なことしちゃった!

「二年の内宮桃です。」

「もも、先輩…」

ドキン…

あれ?

なんで今、胸が一瞬鳴った気がした。

気のせいかな?

「俺は春川瞬です!」

へえ、シュンくんって言うんだ。

駿と同じ名前だ。

「春川君、今日は…」

ありがとう、と続けようとしたけど、春川君は首を振った。


「瞬って呼んでください!桃先輩!」

ええっ!

呼び捨て!?

男の子の名前、呼び捨てなんて弟以外にしたことないもん…

「じゃあ瞬君でいいかな。」