やっぱりこの人、可愛いって言葉がピッタリだ。

なんか小型犬みたいな…

「先輩?」

「はっ!すみません!えっと、初心者なんだよね?」

「はい!先輩、吹奏楽部だったんですね。俺、タメ口で話しちゃって…すみませんでした。」

そっか、吹奏楽部初めてならコントラバスはおろか、まさかポップスの時だけエレキベースを使うことなんて知らないよね。

「全然だよ!それで、どうしてコントラバスパートに?」

普通初心者ならまずはトランペット!とかフルート!なのに。

「あ、いや、その…かっこいいなって思って。大きいし、あとベースとかもやってみたいなって思って!」

…感動!

「ぜひぜひ!弾いてみて!」

私は張り切って構えを教える。

私よりはもちろん背の高い彼はなんだかコントラバスがしっくりくる。

「…結構指先に力いるんですね…」

ちょっと痛かったのか、顔をしかめる。

「うん、でも慣れたら大丈夫だよ!」

私の手はかなり小さいけど、それなりにひけるようになったし。