「瞬君、ここはАの音だから、少し低めに、あとピチカートはもう少し指を離して。」

「はい!」




放課後の、音楽準備室。

今日も二人の優しいメロディが奏でられる。


「先輩、今日、…一緒に帰りませんか?」

「…はい…」



まだ始まったばかりの二人の恋。

真っ白な五線譜の上に、二人だけの音符が奏でられていく。

きっと楽しいメロディだけじゃない。

それでも、君といつまでも一緒に奏でたい。



二人だけの、二重奏。







放課後ラプソディー【完】