連れられて来たのは、
独り暮らしのワンルームアパート。


「ここってメイカちゃん家?」


「そうだよ。
早く入って手当てするよ!」


ヒョウガラが好きなのか、部屋の中はヒョウガラだらけだった。


俺と守は、ピンクのソファーに座った。



「ったく、初めてメイカの家に来たっていうのに、何でお前も一緒なんだよ…」

守がぼそっと言う。


「ほら、消毒するよ。」


「ッッてぇ!もっと優しくやってよ~」


「文句を言うな!」


連れの好きな女に手当てをされる俺。


情けなさすぎて、切れた傷口に消毒が余計しみた。


「で?
何があってこんなケガしたんだ?今日、お前の大好きな京野先生が来る日なんじゃなかったか?」


「………。
雫ちゃんと揉めて、家飛び出して。
したら、なぎさの男に絡まれて喧嘩した。」


「ちょっと!雫に何言ったんだよ!」


「イタタタ!!
顔いたいっつの!」


メイカちゃんに顔をグニグニされた。

「雫ちゃんの顔にさ、
絆創膏が貼ってあったんだ。だから、聞いたんだ。
彼氏にやられたんじゃないの?って…」


「何で聞いたの!?
アンタはいつも通りにして側にいろって言ったじゃん!」