喧嘩なんて好きじゃないし、殴られたり痛いのは嫌いな俺が、勝てるわけもない。


見事に地面に叩きつけられた。


「フンッッ!
誰の女に手を出したか思い知ったかよ。」


なんて吐き捨てられ、
しまいには取り残された俺。


ダッセエ…



ボコボコにやられた俺は、痛みに耐えながら街を去った。




なんとか歩いていると、
赤い四区の車が俺の横に止まった。


「バカサル!!」


バカサルと呼ぶ運転手は、相変わらず元ヤンオーラを放っていた。


「メイカちゃん…
つか守も。」


デート中かよ…


ボコボコの俺を見て、
ため息混じりに車から降りてきた守。


「何をしてんだよ…
バカ麗夜。」


「ほっとけよ…」


「おいバカサル!
んなケガしてんだから手当てすんぞ!早く乗んな!」


メイカちゃんに一喝され
仕方なく車に乗った。