家を出て、街に出ると雨が本降りになっていた。


傘もささず、イライラしながら歩いていると同じようにフラフラしている連中と鉢合わせた。


「お前、霧島麗夜だよな。」


「あ?」


「随分となぎさが世話になっているらしな。」


その中のひとりが俺に、
話してきた。


「なぎさ?誰だそれ。女?」


こんな時に、なぎさなんて誰のことだか思い出せるわけもない。


それよりも、苛立ちの方が大きい。


「テメエ…
人の女にてを出しといてよくものうのうと歩いてられんな。」


どーでもよかった。



気づいたら怒りまかせに殴りかかっていた。



相手が、この街でも有名な族たちとも気ずかずに…


ただ、怒りをぶつけていた。