少し前の美月は、遠くから見ると美月は誰に対してもどこか一線を引いていた。 自分の中の弱い自分に触れられないように。 瞳の奥は藍色だった。 青と黒が混ざったような色。 一人に対する寂しさと人間に対する憎しみ、そして自分に対する嫌悪感が混ざっていた。 けれどそんな瞳もいつしかサクラ色になった。 全てを包む温かさと全てに対する優しさに。 .