陽先輩はあたしを抱き抱えたままステージを降り体育館の出口に向かって歩き出した。



抵抗しようとしたけれど着物が邪魔をして上手く出来なかった。




そのままの状態のあたしを抱き抱えて歩く陽先輩は怒っていて無言でどこかに向かっている。



生徒たちは全員、体育館に集まっているので園内には誰もいなかった。




先輩に連れて来られた場所は屋上。
今日はとてもいい天気で暖かい日だまりと爽やかな風ががあたし達を包んだ。