ステージに上がる前、高沢先輩が「貴女なら出来る。精一杯、観客を魅せて虜にして来なさい。」


なんて言って来た。魅せて虜にする自信は全く無いけど、先輩の言葉は心に届いた。








―――……チリン.チリン.チリン……―――




綺麗な鈴の音が熱気の静まらない体育館に響いた。




体育館が静かになったところで、あたしがステージに上がる。