学校の仕度をしたところで、キッチンへ降り制服の上からエプロンをつけ気合いを入れてお弁当を作ろうとしたら、コックサンが怖ず怖ずと現れて喋り始めた。



「美月様…。申し上げにくいのですが、奥様から私達の分も作って欲しいと言付かっております。」


は??今なんて…??


お母さんがお弁当を作って??
普通、お母さんが作るものじゃ…??



「はぁ…。わかりました。」



渋々、引き受けることにした。だってあたしはこの家では、いい子っていうレッテルを貼られてるし、お弁当ぐらいで喜んでもらえるのならお安いご用だ。