「美月…??」



陽先輩のその切ない声があたしの胸を締め付けた。



本当は今すぐにでもドアを開けて陽先輩に抱きしめて、陽先輩の温もりに涙を流したかった。



でも、あたしにはそんなこと出来なかった。どうしても、今日言われた言葉が脳を支配してあたしの心がそれに同調して

[人を信じて裏切られて傷つくのは自分自身]

[陽先輩だって、小さい頃突然姿を消した。まだ完全に信用は出来ない]

などとあたしの臆病な心が、傷だらけの心が囁き出す。









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