「あたしはなんで捨てられたの??あたしは皆にとって必要のない存在??生まれてこなければよかった??あたしの居場所はどこ??」
美月は、俺の目を見て囁くように聞いてくる。美月の瞳の奥に大きな黒い闇と深い哀しみが見えた。
「そんなはずはないだろ??俺は美月が必要だ。美月の居場所は俺のトコ。他はこの家。木下家の人達は美月のことを本当に心配してる。」
美月の大きな瞳にはどんどん涙が溜まっている。それが零れ落ちた時、それは美月の傷だらけの心が流した涙だと思った。
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