「美月は小さい頃、両親に捨てられています。その後施設に引き取られ、小学校に入った時にはそのことでイジメられたそうです。その時のことがきっかけで誰も信じられず、いつでも笑顔を振り撒くようになったそうです。」



俺は、美月が両親に捨てられたことは聞いていた。でもイジメられたなんてことは聞いたことがなかった。それに美月に初めて会った日も笑っていた気がする。



「榊原財閥はその施設に資金援助をしていたので俺はよく施設に遊びに行きました。そこで美月に初めて会いました。その時も美月は笑っていました。不自然な笑顔で。」



「それから俺と美月はお互いに大切な人間になりました。あの頃の俺は美月にとって唯一信じられる人間だったそうです。だから今も信じているだけですよ。」



そうだったのかー…。
だから美月にとってコイツは家族よりも信じられる存在なんだなー…。



「あのー…。今日はこの話を聞くために来たんですか??もっと他のことがあったんじゃー…。」