知らない男の人の腕の中で安心感
感じるって
私、やばいな・・。
そんな事を考えていると、
ふと我に返った・・。
「あの・・もう大丈夫なんで、
離してもらえませんか・・?」
「あぁ」
そう返事をすると男は私を離した。
それと同時に肌に感じていた温もりが
だんだん冷めていくのがどことなく寂しい。
て、私何考えてるんだろう・・。
なんか今日の私おかしいな・・。
「おい、お前・・」
「はっ、い・・」
突然話掛けられて思わず間抜けな声
を出してしまった・・。
下に落としていた視線を上げると、
金髪さんとバッチリ目が合う・・。
サラサラと風に揺れる少し長めの
赤のメッシュが入った金髪に、
スーッと筋の通った鼻・・。
形が良く薄い、色気を持つ唇・・。
そして鋭く、けれど優しさを含んだ
私を見つめるダークブルーの瞳。
さっきは興奮していて、何がなんだか
分からなくなってたからあれだけど、
よく見るとなかなかかっこいい・・。
というか超がつくほどの美形のイケメンだ。
「お前、名前なんていうの?」
「北条、美香です・・。」
やっぱり今日の私はおかしい。
知らない人に自分の名前を教えるなんて。
だけど、この人に見つめられると
自然と言葉が口を接いで出た。
「あの、さっきはすいませんでした。
助けて頂いたのに、あんな言い方・・」
「別に。気にするな。」
そう言って私の頭を撫でながら、
優しく微笑みかける金髪さん・・。
「っ・・。」
心臓がドキンと音を立てる。
体の温度がどんどん上がって
いくのが分かった・・。