「着いたぞ・・」
そう言うと金髪さんはバイクを下りる。
それに続いて私も下りた。
さっきまで腕に触れていた温もりがだんだんと薄れていく・・。
「ここがお前の家なのか・・・?」
「・・はい」
私の家は高層マンションの最上階。
このマンションは屋内プールなども付いている、いわゆる高級マンションだ。
だけど、私はこの家が大嫌い。
誰も待ってくれていない、一人の孤独な空間が・・。
両親は私が4歳の時に離婚した。
そして私はお母さんに引き取られた。
お母さんは高級ジュエリーブランドの社長で、毎日夜遅くまで仕事をしていた。
帰って来ない日だってあった。
私は毎晩お母さんの帰りを待って、
寂しくて寂しくて、一人で泣いて・・・、
泣き疲れてそのまま眠りに付いて・・。
私は小さい頃から一人ぼっちだった。
だから私はこの家が大嫌いだ――。