思わず立ち上がった瞬間、またまた素晴らしいタイミングでチャイムが鳴った。

やった、助かった.......



でも、そこから勉強が手に付かなくなったのは、高木じゃなくて俺の方だった。

高木の好きな人って、誰なんだ。

気になって、気になって、何にも出来なくなっちゃったじゃん..........



「もう俺ら高3で残り少ないし、そんなに気になるなら告っちゃえよ。」

「バカ。あいつが好きな奴は、うちの兄貴が気にならないくらいのレベルなんだぞ。どんな奴か知らねぇけど、簡単に勝てる訳ないだろ?」



他人事だと思って、テキトーなこと言うな、翔。

残り少ないからこそ、悲しい気持ちで過ごしたくないんだろうが。