「でも…忘れさせてくれない…。彼は……あたしに、忘れさせてくれないのっ!」

そう言うと、先輩は黙って泣き続けた。

俺も、動かずにその肩をずっと抱いていた。


不思議だった。俺は、この自分の胸で泣いている人を笑顔にしたいって思ったんだ。

優華が好きだった時とは違うけど、そう思ったんだ。